お知らせ内容

実施年月日 2010年11月15日 
日常生活役立ち情報(1)

装具の皮膚保護剤がこびり付いて困っていませんか?
 昨年6月、高島市での相談会で「面板の裏の粘着剤(皮膚保護剤)が飛び散って、お風呂の洗い場にこびり付いて汚れが取れずに困っているが、何かいい洗剤はありませんか?」との質問がありました。
当時は余り的確な御答えが出来なかったのですが、東近江市で開催の相談会での近野WOCナースの講演をお聞きして、『面板の皮膚保護剤には水に溶けるタイプ(例(例:D社の製品等)と、水に溶けずに膨らむタイプ(例:A社の製品等)の2種類がある』と教えていただきました。筆者もD社のワンピースを使用、装具を剥がした後の水洗時に面板から剥がれた皮膚保護剤のこびり付きに困っていて、「もしかすると水に溶けた後にこびり付く成分が含まれているためでは?」と思いメーカー営業所に問合せましたところ、下記のように、チューウインガムを剥がすのと同じ要領で、サラダ油やマヨネーズ、あるいはコールドスプレーで剥がせると教えていただきました。
早速、質問された方にお教えした処「きれいに取れました」との返信がありました。メーカー代理店の回答をご参考までに掲載します。

『面板裏の皮膚保護剤は色々な化学成分が含まれていています。D社製品では、親水性の成分で、水分を吸収することで一旦粘着力が上がるが、最終的には溶けてなくなるペクチン、ゼラチン、CMC(カルボキシ・メチル・セルロース)、コットンファイバーと、疎水性(水には溶けない)成分のPIB(ポリイソブチレン)の5種類の成分で作られています。
今回、質問のありましたこびり付きは、疎水性のPIBの成分がお風呂の洗い場などに残っているためではと推察します。PIBは装具のフィルムをめくって最初の粘着力を構成しているのもので、他の成分を結びつけるためにも必要な成分になります。
そこで、本題ですが、PIBはチューイングガムと同じ成分ですので、ガムを剥がすのと同じ方法が有効ではないかと考えられます。PIBは油分に対して弱いので、身近なものであれば、サラダ油や、マヨネーズなどで剥がすことが出来るようです。
ちなみに、マヨネーズの中に原材料のPIBを入れるとグニャグニャに柔らかくなります。また、ガムを剥がす方法として、コールドスプレー(スポーツ用の冷やすスプレー)を使うというのがあるので、皮膚保護剤が粘着しているところにコールドスプレーを吹き付けると剥がしやすくなるのではと思います。よければ、お試し下さい。
ただし、サラダ油やマヨネーズなどの油分が排水パイプに対して問題を起こさないかというのは存じ上げません。日常生活で流すくらいなら差し支えないかと思います。
ただ、自分の経験で皮膚保護剤が配水管に詰まったという話は聞いたことがないので余程のことがない限り大丈夫なのではと思います。』

また、水に溶けずに膨らむタイプの装具では、PIBの代わりにスチレン・イソプレン共重合体(SIS)という成分が含まれています。SISは皮膚保護剤が飛び散っても、こびり付くような事は無いようです。尚、各社製品の面板保護剤に含まれる化学成分は商品カタログに掲載されているメーカーもありますので確認下さい。
また、皮膚保護剤の成分についての詳細は横浜支部のHP・資料編に掲載されています。