お知らせ内容

実施年月日 2024年02月23日 
2月23日オストメイト講習会と体験交流 (東京都社会適応訓練事業) 三田の報告

2月23日オストメイト講習会と体験交流 (東京都社会適応訓練事業) 三田の報告
2月23日(祝、金)の天皇誕生日に三田の障害者福祉会館にて日本オストミー協会東京支部のオストメイト講習会が開かれました。
当日はあいにく小雨の降る寒い日になりましたが、予想外に多くの方が来て頂きました。会場には車いすの方も来られ、装具業者のアルケアの方も出席されました。

今回の講師は金沢大学名誉教授の山本悦秀先生です。
先生は自らもオストメイトで日本オストミー協会の副会長も務めておられます。

最初に山本先生のお話がありました。
能登の大地震のお話に続き、本題のオストメイト向けの入浴用のシールのお話がありました。
お話し概要は以下の通りです。
(1)能登の大地震
・自衛隊の特設入浴場では、オストメイトは「当初はご遠慮」と言われたが、無事、入浴できた由。オストメイトであることを告げないと誰も理解しない。
・トイレは断水で使えないところが多く、珠洲市に入った医師の話では公園や校庭は糞便だらけで異臭が酷かったとのこと。
・能登半島は、水道や道路などの復旧が遅れ、住宅などの被害に加え漁業などの産業も大打撃。過疎化の加速が予想される。

(2)オストメイト向けの入浴用のシールについて
(a)山本先生の自己紹介
金沢大学名誉教授。大腸癌を3回の大手術により乗り越え16年無再発。NHK-BSや新聞、週刊誌の記事にも取り上げられました。

(b)大浴場入湯時用シールと装具
アルケア社と共に開発したバスラック・ シール:新規発売(‘23.9)の紹介。
目の錯覚を利用してストーマ装具の上に貼りつけることにより目立たなくする。

(c) 自己体験による総合評価結果
先行製品と比較すると、目立ちにくく、安心感があり、価格も比較的安い。
(d)まとめ
大浴場を利用しないオストメイトは65%と高い(JOA調査)が、一方で、温泉に行けないことが、日常生活の困り事のトップの52%(SIUP調査)。
脱衣大浴場入湯の日本文化に対応すべく「より目立たない入浴用シール」を追求されたアルケア社に敬意を表したい。

参加者から様々な質問があり先生は真摯に答えて下さいました。
アルケア社の方から参加者の皆様に試供品を配布して頂きました。

休憩時間後、東京支部の役員の方から3月28日に飛鳥山公園で開催される東京支部の散歩会の案内がありました。
また、支部長からはストーマ装具の給付金の都内23区の給付基準額増額の動きについて報告がありました。来年度は港区、足立区、千代田区、江戸川区などで増額される可能性が大きいとのことです。

その後、人工肛門のグループと、人工膀胱やダブルストーマのグループに分かれて参加者同士の体験交流が行われました。人工膀胱のグループでは夜間の蓄膿袋の使用方法や初めて参加の方に試供品の入手方法など様々な話題が出ました。
人工肛門のグループでは話が盛り上げり予定時間を超過するほどでした。

今回も有意義な講習会になったと思います。

会場



山本悦秀先生



体験交流