お知らせ内容

実施年月日 2023年07月11日 
東京都22区にストーマ装具支援給付基準額の増額を本年も要望(7月11日)

東京都22区にストーマ装具支援給付基準額の増額を本年も要望
東京都22区にストーマ装具支援給付基準額の増額を本年も要望
東京都23区の人工肛門・人工膀胱保有者とも月13,000円に引き上げを

7月11日、東京支部は、東京都23区の大半で過去27年間据え置きとなっている
装具支援給付金の基準額を
人工肛門・人工膀胱保有者をともに引き上げるよう
一昨年・昨年に引き続き本年も22区の区長宛に要請しました。
(本年4月に月13,000円に引き上げられた新宿区を除く)。

要望書の概要は以下の通りです(区によって多少差異があります)。


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令和5年7月xx日
xxxx区
区長 xxxx 様                 
                        公益社団法人 日本オストミー協会
                        東京支部 支部長 内藤 一郎


日常生活用具給付等事業における排泄管理支援用具に関する要望書
給付基準額に関する見直しについて

平素より私共オストミー協会東京支部へは、温かいご支援とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。特に障害者福祉課におかれましては、私どもの協会会員はじめ人工肛門・人工膀胱(以下ストーマ)造設者(以下、オストメイト)が皆、日頃より大変お世話になっており、ありがたく重ねてお礼申し上げます。
 我々オストメイトは排泄機能に障害があるものとして、ストーマ用具及び関連製品の使用が毎日の生活に必須であり、排泄管理支援用具に関する給付支援はなくてはならないものと感謝しています。
 弊会では、昨年8月に貴区に対して、「日常生活用具給付等事業における排泄管理支援用具に関する要望書」を提出させていただきました。ただ昨年度中には、ご回答が頂けておりませんでしたので、本年も改めて同要望についてご説明するとともに、我々日本オストミー協会(以下JOA)であらたに実施した生活実態基本調査の結果がまとまりましたので、昨年に引き続き下記の通りあらためて給付基準額の見直しを要望いたします。
弊会としても、様々な調整や手続きが必要とされる要望案件であろうと理解しており、今後も情報交換を行い、ご検討の予定などお聞かせいただければ幸甚でございます。
              


要望項目:現行の給付基準額を増額していただきたい。
現行 消化器系ストーマ装具    8,858円   ⇒  希望金額 (13,000円)
    尿路系ストーマ装具    11,639円   ⇒  希望金額 (13,000円)   

歴史:
排泄管理支援用具の給付の歴史は、1984(昭和59)年に、ストーマ保有者への身体障害者福祉法の適用が開始され、「補装具の種目,受託報酬の額等に関する基準」として、国の補装具給付制度の対象種目となったところからスタートしました。その後、2006年障害者自立支援法設立時に、その運用の主体が、国の管理する補装具から、市町村が管理する日常生活用具給付事業に移管されました。

経緯:
1984年設定の補装具としての基準額は 当時、消化器系7,100円、尿路系9,300円で、その後、5~6年に1度、額の見直しが行われ、1993年に消化器系8,600円、尿路系11,300円という基準額提示されました。しかしその1993年以降、2006年に市町村の采配で給付基準額が決められるようになってからも含めてのこの30年、徐々に見直しは進んでいるものの、未だ市区町村の約80%は基準額の見直しが行われていないことが、JOAとして実施した調査で明らかになっています。
JOAでは、2006年に市町村へその管理母体が変更になってきてから現在まで、過去4回 市区町村での給付実態調査を実施してきました。
過去10年間の変遷結果は添付参考資料の図1のとおりで、全国的には16%以上の市区町村で、基準額の見直しが行われおり、それ以外は補装具時代の1993年設定の基準から変化がなく、市区町村間で差が生じてきているのが実態です。
東京都内では、新宿区が2023年4月から基準金額の見直しが行われており、消化器系と尿路系共に13,000円で増額が認められております。
千代田区においては、1993年に国が設置した当時の基準額から消化器系、尿路系共に、3%の見直しが行われただけで、この30年間実際の基準額の増額は認められていません。

現状、現在の給付基準額ではオストメイトの負担は大きく、JOAでは市区町村の給付状況調査と合わせて実施するオストメイトの生活実態調査において、直近の第9回(令和3年実施)では83.8%のオストメイトが給付基準額を不足としており、全国平均不足月額は全体平均で3,920円という結果と出ています。前回データと比較して、不足額は約600円増えており、また間に合っていないとする方の割合は、第8回では65.3%であったの対して、今回は83.8%であり、不足と感じる方の割合いが約20%も増加していることがわかります。(下記表1参照)
表1:毎月の自己負担額 (添付参考資料の表1より抜粋:
第9回オストメイト生活実態基本調査報告書 令和4年11月 日本オストミー協会、P21、表34より転記)

全体 以下、?~?の平均
給付不足額/月 3,920円(前回3,364円)
間に合っていない割合 83.8%(前回65.3%)

消化管ストーマ
? 結腸(大腸)ストーマ:コロストミー
給付不足額/月3,763円(前回3,344円)
間に合っていない割合83.2%(前回64.0%)

? 回腸(小腸)ストーマ:イレオストミー
給付不足額/月4,796円(前回4,608円)
間に合っていない割合87.6%(前回71.7%)
尿路ストーマ ? ウロストミー
給付不足額/月3,670円(前回2,670円)
間に合っていない割合 83.8%(前回66.3%)
ダブルストーマ ? 消化管ストーマと尿路ストーマの併存
給付不足額/月4,627円(前回2,764円)
間に合っていない割合 82.3%(前回58.8%)

ストーマの種類については、添付参考資料ページ4表1をご覧ください。

装具代の負担感に関する問題は、ストーマに関連する学会や医療従事者団体等の調査、研究でも、次のような結果が発表されています。
? 「社会生活」のカテゴリーに中で、一番の困った経験は「補助金を超えた装具代を支払っている。」が第一位であった。(添付参考資料のページ6図2)
・ストーマの種類別、大腸ストーマ(コロストミー)、小腸ストーマ(イレオストミー) 尿路ストーマ、ダブルストーマそれぞれにおいても、装具代の負担感が社会生活のカテゴリーで第一位であった。
出典:ストーマ保有者の困った経験の実態調査2020より抜粋(NPO法人ストーマ・イメージアップ・プロジェクトチーム(SIUP)調査

要望内容:
以上のような現状を踏まえ、それぞれの給付基準額の不足分である、消化器系(コロストミーとイレオストミーの単純平均)4,280円、尿路系(ウロストミー)3,670円を考慮し、下記金額を希望します。
  消化器系ストーマ装具 8,858円(現行)+4,280円=13,138円  希望13,000円
  尿路系ストーマ装具  11,639円(現行)+3,670円=15,309円  希望13,000円  
昨年の市区町村に対する給付状況に関するJOAの調査では、この直近3年で消費税率が10%に上がったことを機に、見直しを行っている市区町村がでてきていることもわかってきました。
また、昨今の状況から、メーカーのストーマ装具そのものの値上げも相次いでおり、これらの点についてもぜひご考慮の程お願いいたします。

まとめ:
給付券基準額に関して、過去の経緯から現状についてご説明するとともに、基準額の見直しに関する要望を提出させていただきました。
われわれオストメイトにとって、ストーマ装具と関連製品は毎日の排泄をささえる生活必需品です。本要望書にも記載したとおり、オストメイトといっても、
個々のストーマ種類や環境により必要な装具や関連補助製品も異なります。
個々のオストメイトが必要なものをきちんと使用できる環境を整え、トラブル回避できるレベルの装具交換と、補助的関連製品が心配なく使用できることは、
ごく普通に得られるべき生活の質、ひいてはそれが社会生産性を維持でき、社会貢献へつながるものとして、何とか本要望の実現をよろしくお願いいたします。  

お願い
以上、要望の趣旨をご理解頂きご検討の状況について、本年10月末頃までにご教示下さればありがたいです。宜しくお願いいたします。
以上
問い合わせ先
公益社団法人 日本オストミー協会 東京支部 支部長
内藤 一郎
(連絡先省略)